こんにちは。神奈川県川崎市のNPO法人設立支援.comです。
今回は、「NPO法人の役員」について説明します。
NPO法人の役員について
NPO法人の役員は、理事と監事です。
NPO法人は、3人以上の理事と1人以上の監事を置かなければなりません。
理事
NPO法人の理事は、法人の業務を執行します。株式会社の取締役のようなものです。
理事は、各人が法人を代表します。定款で代表権を制限することができます。代表権を制限するとは、理事のうちの一人にだけ代表権を与えることです。
監事
NPO法人の監事は、理事の業務執行の状況や法人の財産の状況を監査します。株式会社の監査役のようなものです。
監事は、理事や職員になることはできません。
NPO法人の業務や財産に関して不正行為や法令・定款違反を発見した場合には、社員総会または所轄庁に報告しなければなりません。この報告をするために必要がある場合には、社員総会を招集することができます。
役員の欠格事由(NPO法人の役員になれない人)
以下の欠格事由のいずれかに該当する人は、NPO法人の役員になることができません。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- NPO法や刑法などにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 暴力団の構成員等
- 設立の認証を取り消されたNPO法人の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から2年を経過しない者
- 心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定めるもの
株式会社などの法人はNPO法人の役員になれる?
株式会社や一般社団法人では、法人は役員になれないと法律で規定されています。
NPO法人の場合、法律にはそういう規定はありません。法律上は株式会社もNPO法人の役員になれそうに思えます。
しかし、現実的にはそういうことは想定していないと思います。設立申請時の役員に関する書類は個人であることを前提にしていますから。
もしそういうことをお考えであれば、所轄庁に問い合わせるのが一番確実です。
未成年者はNPO法人の役員になれる?
未成年者も役員になることはできます。ただし、法定代理人(親権者、後見人)の同意が必要です。
役員の親族の制限
NPO法人は、役員になれる親族の数が次のように制限されています。
- 各役員について、配偶者もしくは3親等以内の親族が1人を超えて含まれてはならない
- 役員と配偶者及び3親等以内の親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれてはならない
法律の言い回しなので分かりにくい表現ですが、要は
「役員が6人以上いる場合に、各役員について配偶者または3親等以内の親族を一人だけ役員にすることができる」
ということです。
NPO法人は、株式会社のように家族経営はできないということです。
役員報酬
NPO法人の役員報酬は、次のように制限されています。
- 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
役員の数により、役員報酬を受けることができる役員の数は下表のようになります。
役員の数(人) | 役員報酬を受けることができる役員の数(人) |
---|---|
4~5 | 1 |
6~8 | 2 |
9~11 | 3 |
: | : |
役員のうち報酬を受けることができるのが役員総数の3分の1以下ということは、役員はボランティアで無報酬になってしまうの?と思うかもしれません。
これはあくまでも役員としての報酬の話です。たとえ役員だとしても、何らかの仕事をしていれば、その労働に対する「給与」をもらうことはできます。