今回は、「NPO法人の貸借対照表」について説明します。
NPO法人の貸借対照表とは
貸借対照表は、NPO法人の計算書類のひとつです。
事業年度末におけるNPO 法人の全ての資産、負債及び正味財産の状態を示すものです。
NPO法人は、毎事業年度初めの3カ月以内に、前事業年度の貸借対照表を作成し、所轄庁に提出しなければなりません。提出された貸借対照表は、閲覧・謄写の対象となります。
貸借対照表の提出を怠ると20万円以下の過料が処され、3年未提出の場合は設立の認証が取り消されることがあります。
また、NPO法人は、作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日までの間、貸借対照表を主たる事務所及び従たる事務所に備え置かなければなりません。
貸借対照表の公告
2018年(平成30年)10月1日から、NPO法人は毎年貸借対照表の公告を行なうことが義務付けられました。
公告の方法は定款で定めることが必要で、下記の4つの中から選択することができます。
- 官報に掲載する方法
- 日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告による方法
- 主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法
貸借対照表の記載事項
貸借対照表には、次の事項を記載します。
- 流動資産
- 固定資産
- 流動負債
- 固定負債
1.流動資産
現金預金、未収金、棚卸資産、前払金等を記載します。
2.固定資産
土地・建物、什器備品、長期貸付金等を記載します。
3.流動負債
短期借入金、未払金、前受金等を記載します。
4.固定負債
長期借入金、退職給付引当金等を記載します。
貸借対照表のチェックポイント
- 前事業年度末日現在の日付が記載されているか。
- 活動計算書、財産目録との整合性があるか。