今回は「NPO法人の報告義務」について説明します。
NPO法人の報告とは、所轄庁への報告を指しています。
NPO法人の報告義務について
NPO法人には、以下の報告義務があります。
- 事業年度終了後の報告
- 役員変更等の届出
- 定款の変更
1.事業年度終了後の報告
NPO法人は、毎事業年度1回、前事業年度の事業報告書等を所轄庁に提出しなければなりません。
NPO法人は、これらの事業報告書等を3年以上にわたって提出が行なわないときは、NPO法人の設立の認証を取り消されることがあります。
所轄庁に提出しなければならない事業報告書等とは、下記の①~⑦の書類です。
毎事業年度初めの3カ月以内に提出する書類の一覧
- ① 事業報告書等提出書
- ② 事業報告書
- ③ 活動計算書
- ④ 貸借対照表
- ⑤ 財産目録
- ⑥ 年間役員名簿
(前事業年度において役員であった者の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿) - ⑦ 前事業年度の末日における社員のうち10 人以上の者の名簿
(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
2.役員変更等の届出
NPO法人は、役員の氏名又は住所若しくは居所に変更があった場合には、所轄庁に変更後の役員名簿を添えて、役員の変更等届出書を届け出なければなりません。
役員が新たに就任した場合(任期満了と同時に再任された場合を除きます。)には、新たに就任した役員についての就任承諾書の謄本及び役員の住所又は居所を証する書面を所轄庁に提出する必要があります。
代表者の氏名、住所及び資格に関する事項に変更が生じた時には、2週間以内に主たる事務所の所在地での登記が必要です。
「役員の氏名又は住所若しくは居所の変更」には、以下の①~⑧が該当します。
- ① 新任
- ② 再任
- ③ 任期満了
- ④ 死亡
- ⑤ 辞任
- ⑥ 解任
- ⑦ 住所又は居所の異動
- ⑧ 改姓又は改名
3.定款の変更
所轄庁の認証が必要な場合
NPO法人は、次の①~⑩の事項に関する定款の変更を行なう際には、定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添付した書類を所轄庁に提出し、所轄庁の認証を受ける必要があります。
- ① 目的
- ② 名称
- ③ その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
- ④ 主たる事務所及びその他の事務所の所在地(所轄庁の変更を伴うものに限ります。)
- ⑤ 社員の資格の得喪に関する事項
- ⑥ 役員に関する事項(役員の定数に係るものを除きます。)
- ⑦ 会議に関する事項
- ⑧ その他の事業を行う場合における、その種類その他当該その他の事業に関する事項
- ⑨ 解散に関する事項(残余財産の帰属すべき者に係るものに限ります。)
- ⑩ 定款の変更に関する事項
所轄庁の認証が必要な定款の変更手続きについてはこちらをご覧ください。
届出のみが必要な場合
(所轄庁の認証を受ける必要がない場合)
所轄庁変更を伴わない事務所の所在地の変更や役員の定数の変更などの場合には、所轄庁への届出が必要です。
この場合、定数の変更後遅滞なく、定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添えて、所轄庁に届け出なければなりません。
事務所の所在地などの登記事項に変更があった場合には、2週間以内に主たる事務所の所在地での登記、3週間以内に従たる事務所の所在地での登記が必要です。
登記完了後、定款の変更の登記完了提出書を所轄庁に提出する必要があります。